Macが好きな方は数多くいると思いますが、その中でもMac miniは特に根強いファンがいると思います。筆者もその一人です。
シンプルデザインの筐体、必要最低限のポート類、必要十分な性能。
筆者がMac miniを購入したのは2021年、M1チップのモデルですが、まだまだ現役選手で活躍してもらっています。
特に大きな問題もなく使用してきたMac miniですが、昨年末(2024年)あたりから気になる症状がありました。それは「トラックパッドのカーソルが飛ぶ」という現象です。もともとMac miniはBluetooth電波が弱いというのは各所で言及されていましたが、筆者はデスク上に本体を置いていることもあり、今までは気にしていませんでした。
今回はそんなBluetoothの電波改善がテーマの記事です。
Mac miniのBluetooth性能
Mac miniのBluetooth性能は「弱い」と各所で言われているようです。今まであまり意識していなかったのですが、SNSでは度々に話題になり、web上では解決策なども編み出されています。最新のM4チップのMac miniでは改善されているような情報もありますが、本体の買い替えはまだ検討もしていないので、今回改めて対処法を調べ、実践してみました。
なお、Mac mini本体はデスク上に置いており、キーボードやトラックパッドとの距離は1m〜1.5mほどです。本体とデバイスの間に障害物はありません。
症状
トラックパッド接続が不安定になる
ぬるぬる動くことで有名なMagic Trackpadですが、度々カーソルが引っ掛かるようになったり、ぎこちない動きをするようになりました。Macを操作する上で一番心地よい操作であるが故に、大きなストレスを感じていました。
DualSenseが暴走する
こちらはゲームのコントローラです。Mac mini上からPlayStation5のリモートプレイで遊んだりするのですが、DualSenseのボタン反応が1テンポ2テンポ遅れたり、連続して入力されたりするようになりました。
こちらについては有線でつなぐことで対処することは出来たのですが、前述のMagic Trackpadの方はそういうわけにもいかないので、根本的に何かBluetoothまわりに問題があるのではないかと思いました。
疑わしい部分
Bluetoothデバイスの接続数
明確な技術情報はないのですが、安定して接続できるのは3〜4台までといった記事がありました。同時接続であればともかく、接続情報だけで悪さをしているとは思えなかったのですが、これも一応疑わしいということで対処します。
Time Machine用のHDD接続
昨年12月頃にTime Machineのバックアップ先をSSDからHDD(2.5inch、ポータブル)に変更しました。本体にUSB3.0ケーブルで接続し、本体の上に置いていました。
結論を言いますと、これが原因だったようです。
USB3.0のケーブルは転送速度と引き換えに、多くのノイズを発生してしまうとのこと。これがBluetoothの電波と干渉し、度々接続が不安定になっていました。確かにこちらのHDDを接続してから症状が発生するようになりました。
対処
ということで、再度ネットやSNSから情報収集をし、下記の対処を施しました。
フェライトコアをつける
難しい原理は理解していませんが、USB3.0ケーブルに「フェライトコア」というものをつけると、ノイズ発生が抑制されるとのこと。そういえばそれまで使用していたSSDのケーブルにはフェライトコアが付いていましたが、HDDを接続したケーブルにはフェライトコアが付いていませんでした。
ということで、Amazonでフェライトコアを注文し、ケーブルに巻き付けました。
フェライトコアはサイズがいくつかあって迷いましたが、複数サイズが入っている10個セットのものにしました。
他に使用用途もないこともあり、HDMIケーブルやモニターと接続しているケーブルにもフェライトコアをつけることにしました。

HDDとMac本体の距離を遠ざける
使用しているUSB3.0ケーブルは0.5m(30cm)だったので、Mac mini本体のすぐ横に配置していたのですが、本体からできる限り距離を離して配置することにしました。
使用していないデバイスを削除
上記で述べたBluetoothのデバイス接続数。もしかして悪さをしているかもしれないと思い、過去に接続して現在は使用していないキーボードなどの接続情報は削除しました。結果としてこれは関係なかったと思っています。
Bluetoothモジュールをリセット
Bluetoothのon/offだけでなく、機能そのものをon/offするイメージです。フェライトコアを巻き付ける前に実施してみたのですが、これは効果がありませんでした。
再起動
もはや定番ですが、本体再起動。こちらも結果として効果はありませんでした。
結果
改善しました。
トラックパッドのカーソルは飛ばなくなり、DualSenseも暴走しなくなりました。
結果として効果があったのは、下記2点です。
- USB3.0ケーブルにフェライトコアをつける
- USB接続デバイスを本体から離して配置する
とはいえ、不定期ですが接続が不安定にはなります。Bluetoothが強くなったわけではないので、障害物、とりわけMagic Trackpadの近くにiPhoneやiPadなどがあると電波干渉が発生し、カーソルはガクガクになります。これはもう配置を気をつけようという話ですが、根本的にBluetoothは弱いということで、うまく付き合っていきたいですね。
参考(今回実施しなかった方法)
参考までに、ネットやSNSで見つけた情報をまとめておきます。こちらはリスクが高かったり、見た目がスマートではなくなってしまうことから、今回は実施していません。ある種、最終手段のような気はしています。
外付けBluetoothドングルを接続
内臓のBluetoothモジュールをOffにし、新たにBluetooth(+Wi-Fi)用のドングルを外付けでつけるというものです。これについては本体のコアな部分を操作しなければならないことと、将来的にアップデートなどで使用出来なくなってしまう可能性があるため、見送りました。
アンテナ接続部を物理的に伸ばす
本体のBluetooth送信部を物理的に延長する、といった対応です。こちらは本体を開けてアンテナ線(のようなもの)を接続しないといけなかったり、見た目もスマートにはならないと思いましたので、見送りました。
本体を裏がえして縦置きにする
「本体を縦置きにする(できれば裏返し)と電波が改善する」というのはかなり有名です。設置スペース的に出来なくはないのですが、やはりMac mini天面のアップルマークは目に入るように設置したいため、こちらも見送りです。
まとめ
ということで、Mac miniのBluetooth問題はこれで解決となります。Magic Trackpadの吸い付くような操作感は他のパソコンでは体験できないので、ストレスなくこの操作が出来るのはよいですね。
パソコン周りは何かとトラブルが発生しますが、その解決法も様々。特にMacについては先人の方々がいろいろと試行錯誤してくれた結果をweb上に残してくれています。
この記事はそれらをある意味まとめただけの体験談にはなりますが、誰かのトラブル解決に一役買ってくれると嬉しいです。
コメント